当サイトでは管理人の個人的な経験に基づき商品やサービスの紹介をしております。業者から直接依頼を受けたり、報酬を得て掲載した記事はありません。ただし商品やサービスの紹介にはアフィリエイトリンクを使用させていただいております。遷移先のサイトで購入や申し込みをされた場合、このサイトが報酬を得る場合があります。
Contents
コストと施工のしやすさを考えると使える材が限られる
今回、ウッドデッキを作り直すにあたって、基礎は既存のものを再利用すると決めていました。なぜなら・・・既存の基礎が現場打ちの鉄筋コンクリート製だったので、自分で撤去できなかったからです(笑)しかし、基礎の間隔は、約2,700mmと約2,300mmもありかなり広い。間に束石を置いて、柱の間隔を短くすることも考えたのですが、今回のウッドデッキは地面から1m以上の高さがあり、柱が増えるほど見た目が悪くなるので、このまま行くことにしました。
一番最初は、元々あったウッドデッキと同じサイズの木材を使用することを考え設計してみたのですが、その寸法は120mmx240mmなどで、DIYで扱える寸法ではなかったのであきらめました。
次に、梁に外材の2×8もしくは2×10サイズを2本組にし、4×4の柱を挟み込む形で使う、いわゆる「サンドイッチ工法」にすることを考えました。梁の幅はさておき、元々の梁の高さと同じくらいの部材を使用すれば、この広い基礎間隔を飛ばせると思ったからです。梁幅が狭いのは、梁の本数を増やして間隔を狭くすれば、なんとかなりそうです。
しかし、「こんな2×8材を一人で加工したり、持ち上げて取り付けることができるだろうか・・、重すぎないか?」と頭をよぎりました。その上、2×8サイズは、2×4サイズを2本買うよりも高いのです。
2×4材だけで組立梁のようにする
そこで、柱は4×4のまま、梁は2×4材を4本使い、組立梁のようにすれば、加工や扱いも楽だし、やりようによってはそれなりの強度を出せるはず、と検討をはじめました。組立梁といえば、斜めの部材を使ってトラスを組むことが最初に頭に浮かびます。
しかし、なんというか、今回は斜めの部材を使いたくなかったのです。斜めの部材で三角形を作っていくようにすれば、少ない部材で効率よく梁を作れるのですが・・・斜めとかバッテンにするのがどうしても嫌だったのです。
理由は・・ちょっと和風っぽい落ち着いたデザインにしたかったのと、縦横の部材だけで構成するほうが繊細できれいかな、と思ったから。そのくらいです。
お金がないのでコスト優先、とかいいながら、どうしてもデザイン面で譲れない部分が出てきてしまうのは、職業病ですね(爆)
そこで、メインとなる上下の横部材がなるべく一体になるように、多めに縦の部材を入れるようにしてみました。間を開けて透かしたりして、和風な雰囲気になるようにデザインしてみました。それがこれ↓全体像(手すり・床材・根太材等は省略してあります)
↓ちょっとだけ解説
2×4材って、丸く面取りしてあるせいか、その縦横比率のせいかわかりませんが、なんとなくモサッとだるい感じがしませんか?自分はそうなのですが、こうやって透かしたりして複数組み合わせることで、繊細さを出すことができたのではないかと思います。
心配だった広い基礎間隔を飛ばすことについても、実際作ってみると、たわみはほとんど発生せず、細い材を組み合わせて組立梁のようにしても十分耐えられることがよくわかりました。
ウッドデッキの設計を考える上で大切ことは?
もとのウッドデッキを解体していて驚いた点が一つありました。柱脚に金物が使ってあったのですが、なんとその金物は、コンクリート基礎と全く接合されておらず、「置いてあっただけ」だったのです。凹みがつけてあったので、横方向へずれはしませんでしたが、ぐらぐらです。
構造的にいうと、「ピン支承」とよばれる接合方法になっていました。この場合、柱の根元に曲げの力はかからなくなりますが、そのかわりに柱と梁の結合部分に最も大きな曲げの力がかかります。なので、壊れないようにするためには角を固めて頑丈にしなければなりません。
一番簡単な角を固める方法は、斜めの部材(「方杖え」と呼ばれています)を入れることです。これにより、角にかかる力を分散させることができます。
しかし、今回の私のように「斜めの部材を入れたくない」という場合は、他の方法で角の部分が変形しないように厳重に固定して固める必要があります。
金物を使うことも考えられますし、部材と部材の摩擦力を増すために、接触する面積を増やしたり、締め付けるビスを増し打ちすることも必要になってくると思います。
今回は、金物を使用せず、接触面積を増やすことと、ビスの本数を増やすことでガチガチに固定しましたが、それに加えて、組立梁のようにしたことで、柱と梁が接触する場所は複数になり、角にかかる力を分散できたのがよかったのではないかと思います。
(できあがるまでは、正直不安でしたけれど・・)
ただし、組立梁風のデメリットとしては、接合部分が増えることで、ビスを打つ本数が格段に増えます。また、増えた部材それぞれ垂直水平をきちんと出して作業を進める必要もあり、手間がかかります。今回の作業は、手間よりもコスト最優先でしたので、上記デメリットについてあまり考えていなかったのですが、やはりというか当然というか、竣工までかなり時間を要してしまいました。
なので、コストよりも時間優先という方は、この方法はとらないほうがよいかもしれません・・・
それでも、この方法が自分にとっては作業性やデザイン、コスト面で最適だ、と思いましたので、次のウッドデッキも同じ方法で設計するつもりです。(なんと、この家には3カ所もウッドデッキがある(爆))
もし参考図面が欲しい方がいらっしゃいましたら、「About me」のメールフォームからご連絡ください。需要があれば公開したいと思います・・
※地震や風など、横方向の力に対する変形にも本来考慮するべきで、この場合も斜めの部材を水平面にもいれたりします(火打ち梁といいます)が、ウッドデッキのように、床にある程度の耐力のある部材を張りつめる場合は、それだけで水平方向の変形に抵抗することが可能なので、なしでも問題ないと思います。
※こんな方法があると紹介しておきながら、これで大丈夫かどうかは正直やってみないとわかりません・・・実際に作る前には模型を作ってみることをおすすめします。どの辺が構造的に弱そうか、実際に力を加えて試すことができるので、設計の助けになります。
残りの床材と手すりの部材(特に厚さ)はどうする?
最後に、構造体以外の部分についてです。床材や手すりも当初は2×4材にしようと思っていましたが、これも少しでも安くするために、以下の部材を使用しています。
・床:ウエスタンレッドシダー 1.25×6サイズ
・手すり:ウエスタンレッドシダー 1×4サイズ(フェンス用)
床はこの寸法だと、2×4より1本あたりの単価は高いのですが、使用する部材の数量が減るので、結果的に安くなりました。厚みも25mmと床材にはちょうどよい寸法です。2×6などを床に使用すると、ちょっとオーバースペックかなと感じます。
手すりの1×4材(厚み16mm)は薄すぎるかと思いましたが、60センチ間隔で支えると、たわみは発生しませんでした。大丈夫そうです。残念ながら床にはちょっと薄すぎて使えなさそうです。この部材は、面取りされていなかったので、自分でトリマーがけが必要になります。
どこの業者さんから仕入れたかは、今回の業者さんがあまりおすすめできなかったので、伏せておきます。ただ、1.25×6サイズというウエスタンレッドシダーは、その業者さんでしか販売していないようでしたので、買うなら少しランクが高いものにしたほうがよいかもしれません。自分が購入したのは平均的なグレードでした。あと、濡れて届くかもしれないので、材の状態を問い合わせた方がよいと思います・・・(その顛末はこちらに書いています)
↓こちらもどうぞ
↓こんな道具が役に立ちました