ベッドでiMac5K(一体型デスクトップPC)とテレビを使えるようにしてみた話

iMac5Kのような一体型だけれど巨大なデスクトップパソコンをベッドで使用するにはどうすればよい?ついでにテレビもベッドで見やすい位置に設置したい・・・そう思って、ネットで家具をいろいろ探してみましたが、自分のところで使えそうなものがなかったので、DIYで作ってみました・・その話についてシェアしたいと思います。

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寒さ対策のためにベッドでデスクトップパソコンを使えるようにする

期に標高1,500mで生活するのはやはり厳しいものがあります。今年は暖冬だったので、かなり過ごしやすかったですが、それでも室内の気温は何もしなかったらすぐ0度近くまで下がります。自分の家では寝ている間は寝室に暖房を入れないのですが、寝る直前までは暖めるようにしています。なので、寝る前は寝室で過ごすようにして、それ以外の部屋の暖房を切ってしまうと、効率のよい、光熱費の安い生活ができるようになります。

しかし問題は、寝る前は寝室で過ごすことにしたとして、ベッドに入ってどうやってパソコンを使うか・・です。メインマシンは昨年春にiMac5Kに買い換えてしまいました。ノートパソコンならベッドで使うことに問題はなさそうですが、27インチのモニター付きデスクトップパソコンをベッドで使えるようにするには、かなりの工夫が必要だと思われます。

そして同時にテレビ(動画配信サービスしかみませんが・・)もベッドでぬくぬくしながら見ることができれば最高です。これもまた難易度が高いですが・・・はたしてこの2つの要求を同時に満たすことは可能なのでしょうか・・

まずは売っているものを調べてみる

ベッドでiMac(デスクトップパソコン)を使うなら介護用のサイドテーブルがよさそう

介護用のジャンルの中にあるテーブルですけれど、当然一般用途にも使えます。

一例としてパラマウントベッドのサイドテーブルを紹介します。高さ調整もできて、テーブル幅が900mm、奥行きが450mmあれば、iMac5Kを置いて作業することは十分可能です。なので、これを購入してしまえば解決、ということになりそうです。このテーブルをテレビ台として使用する(テーブルの上にテレビを置いてしまう)のもよいと思います。

 

残念ながら自分の家のベッドは下部が収納になっており、このタイプのサイドテーブルは脚の部分が入らないため使用することができません。

次に良さそうなのはオーバーベッドテーブル

さらに調べてみると、同じく介護用のジャンルの中でオーバーベッドテーブルというものがあり、これなら下部が収納になっても使用することが可能です。

上記のパラマウントさんのテーブルはかなり高価ですが、調べるとかなり安価なタイプもあります。こちらなら1万円もしない値段で購入可能です。

しかし残念なことに、自分が使っているベッドはクイーンサイズのため、上記のベッドテーブルは幅が足りず使うことができません。2番目のタイプだと145cmまで伸ばすことが可能ですが、10センチ程度届きません・・・

それで結局DIYで作るしかない、という判断になったのでした。

オーバーベッドテレビ台&パソコン台をDIYで作る

早速設計してみました。要求仕様は・・

  • クイーンサイズのベッドをまたげるオーバーベッドタイプとする。
  • iMac5Kと32インチ液晶テレビの同時使用が可能なくらいの耐荷重とする。
    両方とも10kg程度あるので、合計20kg以上は耐えられるようにしておく。
  • 分解可能な形態にして使用しないときになるべく場所をとらないようにする

ということでいろいろ思案した結果、以下のようにすることにしました。

  • ベッドサイドに2つのワゴンを設置して、その間に1×4材を渡す。
  • 通常はワゴンの上にテレビとimacを乗せておき、渡した1×4材の上をスライドさせて適切な位置に移動させて使う。
  • 寝るときは渡した1×4材を撤去する

これをCADで絵にしてみました。

↓左右のワゴンの間に1×4材1800mmのレール2本を渡します。レールと受け材の両方に20mmの欠き込みをいれてはめ込むようにしています。20mmにしたのは、プランジルーターの深さの限界がこれくらいだったのと、断面の欠損を最小限にしたかったからです。両方を欠き込むことで接合部の変形を最小限に抑え、十分な強度が得ることが可能です。

↓レールの上を滑らせる台車を2個つくります。車輪は引き戸用の戸車を使用することにします。

↓台車の上にiMac5Kとテレビを載せます。回転金具を間に挟んで、向きを変えられるようにしておきます。

↓使用時にレールを2本渡し・・・

↓スライドさせてちょうどよい位置に移動し、90度回転させてから使用します!

こんな感じです。この段階ではまだ机上の空論。果たしてうまくいくでしょうか・・・

製作の様子・・(抜粋)

↑部材を切断して、井桁に組んでいきます。接合部はプランジルーター(マキタのトリマー)で20mmの溝を掘りました
↑柱部分はビス留めします。柱は1×4材をサンドイッチにして接合部の強度が上がるようにしています。
↑続いて台車部分をつくります。2×4材をプランジルーターでこんな形に加工。
↑戸車を取り付ける穴をルーターで掘ります。
↑戸車を取り付け
↑戸車を取り付けた2本を1×4材でつなぎます

なお、戸車は以下のものを使用しました。ネットで手に入る車輪径の最も小さなものです。

↑組み上げて台車のスライドテスト。案の定精度が悪いので、レールや台車側の溝をサンダーで削ってスムーズに動くようになるまで調整します。
↑レールの欠き込み部分の先端側にビスを打ち込み、欠けないようにしておきます。はめ込みを何度も繰り返しているうちに必ず割れてしまうと思われます。
↑次に、回転台を台車に取り付けます
↑ボルトの固定に鬼目ナットを使おうか迷いましたが、引き抜きの力がかかるので、裏側から爪付きナットを埋め込むことにします。
↑回転台の上には、iMac5Kのスタンド部分が入るような台を作って載せます。これだけでも転倒は防げると思います・・
↑iMacやテレビをワゴンの上に載せておくとき台車が動かないようにするため「丸落し」をとりつけておきます。レール側に穴を開けることで台車は固定することができます。
↑こんな感じで固定します
↑テレビの台車は、テレビスタンドの金属ベースを回転盤と直接ボルトで結合しておきます。作業はこれでおおよそ終了です。

実際に使ってみた

結構苦労しましたがなんとか組み上げることができましたので、設置してみました。

↑ワゴンをベッドの両サイドに設置し、レールの1×4材を2本渡します。
↑テレビとiMacをスライドさせる!スムーズに行きました。
↑そして最も気になっていた強度は全く問題なしでした。作業に疲れたのでキーボード台の取り付けは中止し、キーボードとマウスは布団の上に置いて写真のようにして使用してみましたが、なんと板の裏側が結露することが判明!(何という環境だ・・布団乾燥機で暖めた布団からの暖かい空気が、冷たい板の表面で結露してしまったようです。)
↑当初の予定通り、キーボード台を台車に取り付けました。マウススペースは最小限です。これでやっと完成です。
↑ぬくぬく。至福のひととき・・・

使ってみての感想です

  • モニタの高さがやや高く、見上げるような形になってしまいました。
    これは予想されたことでギリギリ低くしたつもりでしたが、やはり長時間は首が疲れます。ていうかiMac5Kの27インチモニタがでかすぎるのかも・・
  • キーボードはこの位置(高さ)でも問題ありませんでした。
  • 家具本体の前後の位置をキーボードの使いやすい距離にセッティングすると、逆にテレビを見るには近くなりすぎます。テレビを見るときは、全体をベッドの足元の方に動かす必要がありました。
  • それでもぬくぬくベッドでパソコンを使えるのは幸せ・・テレビを見ることができるのも幸せ♥夜の時間が至福のひとときになります。
  • しかし・・・寝る前に全部片付けなければならないのが少し面倒です(笑)そのまま寝るのはさすがに危ないです(爆)

まあ・・あまり万人にお勧めできるものではありませんが、もし同じような環境で同じようなことを考えた人への参考になれば幸いです。最後に得られた知見をまとめておきます。以下の2点が最も心配したことでした。

  • 1×4材を縦にして渡せば、1800mmの長さでも問題ありません。20kgぐらいの重量ならたわみはほとんど生じませんでした。
  • ワゴンの平面は450mmx450mm、高さは850mmですが、内側(ベッド側)に転倒することもありませんでした。
  • ワゴンとレールの接合部は少しでも丈夫にするため、また、安全のため、相欠きにした方がよいです。ただし、はめるときすこし時間がかかりますが、苦になるほどではありません。

↓続きです。さらに50インチテレビ+サウンドバーを載せられるように改造してみました。