重傷の野生動物に出会ったらどうすればよいの?怪我をしたニホンリスを放置してしまった話

ニホンリスや野鳥など、重傷の野生動物に出会ったらどうすればよいの・・?その答えは簡単でしたが・・・実行するのはちょっと苦しかったです。

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もし、目の前に怪我をしたニホンリスがいたらどうしますか?

つもは俊敏な動きをするニホンリス。人間が少しでも近づこうものなら、あっと言う間に逃げて行ってしまうニホンリス。しかし、その日だけは全く逃げませんでした。こんなことは珍しいので、どうしたんだろうと近づいて様子をうかがうと、どうやら、木から落下して後ろ足を両足とも痛め、動けなくなったようでした。沢から這い上がることすらできないので、かなりの重傷だと思います。

よく見ると動けなくなっていたリスは、昨年もこの時期、このあたりに来てメスのリスを追いかけていた耳の切れたオスリスくんでした。ああ、なんということでしょう・・・

↑私に気づいて逃げようとするのですが、沢から這い上がることができません・・よく見ると、左耳に切れ目が入っています。
↑昨年6月の写真。ちょいワルな感じで、メスりすをぶいぶい追いかけていました(笑)

どうしよう。1時間後に見に行っても、そこから全く移動できていませんでした。

↑もう少し近づいてみる(ごめんね)
↑後ろ足が全く動いておらず、それで這い上がれないようでした。

このままだと、テンやら何やらに襲われて、今晩死ぬのは確実です。保護した方がよいのだろうか・・・悩みました。

かわいそうでも放置が正解

ろいろ調べてみたところ、長野県のホームページにとてもわかりやすい回答が記載されていましたので、引用させていただきます。

https://www.pref.nagano.lg.jp/yasei/sangyo/ringyo/choju/joho/onegai/shobyo.html

野生鳥獣のあり方

 野生鳥獣は、自然の重要な一員であり、自然の中で、ケガ、病気、エサ不足、他の生き物に食べられたりして命を落とすこともあります。しかしそれが自然の一員として真に生きるということです。

救護のあり方

 傷ついていても、自然界において生き続けられる鳥獣は、その力を持っています。
また、たとえ生命は助かったとしても、自然の中で生き続けられない鳥獣を保護し続けることは、自然界でたくましく自由に生きる野生鳥獣としての尊厳を奪うことになります。
 ケガや病気の野生鳥獣を見かけた場合には、かわいそうに思うかもしれませんが、原則としてそのままにしておいてください。自然界の出来事には、人間は手を出さず見守ることが基本であり大切なことなのです。
また、弱っている鳥獣にとってはたとえ保護を受ける場合でも、人間に触られることは大変なストレスであり、ケガ等が悪化する恐れがあります。また自分を守ろうとし思わぬ行動をとるため、危険な場合があります。

そして・・・

わいそうですが・・見なかったことにしてその場を立ち去りました。

翌朝、様子を見に行くと、オスリスくんの姿はありませんでした・・・

誰かに食べられたのか、うまく逃げられたのかわかりませんが、なんとも悲しい気持ちになりました。

昨年はあんなに元気に母リスを追いかけていた耳の切れたオスリスくん・・・きっと母リスもお相手がいなくなって寂しいに違いありません。この日以降、母リスも餌場に全く姿を見せなくなりました。

目の前で昼寝しまくっていた昨年と違って、今年はニホンリスの子リスが墜落死したり、重傷(多分死亡)を負ったりと、悲しい出来事ばかり起きています。これこそ自然の厳しさなんでしょうけれど、野生動物の生息地で生きていると、かわいいばかりでなくて、こういう負の部分にも向き合っていかなければならないのですね。改めて痛感しました・・・