1万円以下の中国製トレイルカメラ(電池式防犯カメラ)を選ぶときの注意点はこれ

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トレイルカメラとは・・

トレイルカメラ(trail camera)は、もともと狩猟動物の生態調査のためにつくられたカメラのことです。英語では、game (猟の獲物)camera, hunting camera とも言ったりします。獲物がそこにいるのかどうかを自動カメラで撮影して調査するためにつくられたようですね。

↑2台設置して野生動物観察 左側が中国製の安いやつ、右はアメリカから個人輸入したBrowningのもの

日本では、あまり狩猟する人がいないですから販売は限定的で、BrowningやBushunellなどアメリカの主要メーカーのカメラは細々と売られていたりします。ネットで手軽に手に入るのは中国製のものが多く、用途も防犯カメラとして使用する人が多そうです。

連続して撮影を続ける防犯カメラと違い、トレイルカメラは以下のような特徴があります。

  • 赤外線センサーが野生動物などを検知すると瞬時に起動し撮影を行う
  • 赤外線LEDを照射することにより、夜間も撮影が可能
  • 電池で動き、電源不要なためどこでも設置できる。
  • 低消費電力のため、機種によっては6ヶ月以上待機可能
  • 高価な機種であれば、携帯回線を利用しての通知も可能

最大の特徴は、検知後に撮影開始するというところですね。撮影対象があるときだけ動作してデータを残し、撮影対象がないときは待機状態になるので、電池の消耗を抑えます。同時に、あとでデータを確認するときの労力も軽減されるのも、割と地味な利点と言えます。

欠点は、サイズが大きく重いこと。サイズが大きくて目立つのは、人間には威嚇などの意味でよい場合もありますが、野生動物は警戒して近づかないこともあります。そのためカメラ本体が迷彩色になっていたりするのですが、正直あまり意味がないように感じます。もう一つは、検知性能が完全ではないこと。複数台設置してみるとわかりますが、片方で撮影できていないことがわりとよく発生します。したがって、防犯など厳密な用途で使用したい場合は、複数台設置したほうがよいと思います。

トレイルカメラを選ぶときに注意したい点

以下で自分なりの注意点を共有したいと思います。気をつけないと失敗してしまいます。

①〜〜万画素という売り文句に惑わされない

特に中国製のカメラで高画質12MPセンサーとか書いてあることが多いのですが、これは大嘘です。センサーサイズ自体は、5メガピクセルが主流で、多くて8メガピクセル、少ない場合は2メガピクセルなどとなっています。

これをデジタル補完して12メガピクセル(1200万画素)、16メガピクセル(1600万画素)等の写真を保存する仕組みになっています。高画素だから高画質、とは言えませんが、2000万画素をうたう機種もあらわれていますので、その数字にだまされないようにすることが大事です。ちなみにこれは、本家アメリカのメーカーでも行われていることです。詳しくは以下の記事をご覧ください。

②少し見える赤外線LEDとほとんど見えない赤外線LEDがある

夜間に撮影対象を照らす赤外線LEDライトには2種類あり、

  • 波長850nmのものは少し見えるローグロータイプ
  • 波長940nmのものはほぼ見えないノーグロータイプ

と分けられています。850nmタイプだと、最初にはっきり見えるくらいに強く照射する機種もあるので、真っ暗な山の中で生態調査する場合は、940nmのタイプを選んでおいた方が無難です。ただし、940nmのほうが少し暗くなります。

↑画面左側に850nmローグローの機種、右側に940nmノーグローの機種を設置して撮影。カメラのセンサーの都合で、ランプがピンク色っぽくなっていますが、実際には真っ赤です。右側はほとんど何も見えません(笑)

③広角レンズを搭載しているか

より広範囲に監視したい場合は、やはり広角レンズを搭載しているカメラを選ぶほうがよいです。それには、FOV(Field Of View:視野角)という数値で表示されていることが多いので、それをチェックし、数字の大きな機種を選ぶようにします。広角になればなるほど歪曲も大きくなりますが、自然の中で使っているとあまり気になりません。残念ながら、アメリカのメーカーから広角レンズ搭載の機種を見つけることができませんでした。中国製を選ぶしかないのが現状です。

④トリガースピードはあまり気にしない。厳密にやるなら2台以上設置

トリガースピードは、センサーが検知してから撮影までの時間のことを指しますが、自分が普段使っているトレイルカメラは最速0.2秒ですけれど、そんな感じで撮影できたことはないので、これも惑わされない方がよさそうです。

ただ、安価なセンサーを3つもつけて検知範囲を広げているタイプは、側面のセンサーが動きを検知したらカメラを起動し撮影準備に入るので、撮影漏れが少ないような・・(気がします(笑))また、逆に、センサーがたくさんあるので、誤検知も多い印象があります。

先ほども書きましたが、厳密に撮影したい場合は、2台設置しておくとよいと思います。2台置いておくと、片方が撮影できていない、トリガースピード以前にそもそも起動すらしなかった、ということが少なからず発生していることがわかります。自分も2台設置して初めて気づきました(ちょっとショックでした・・)。防犯カメラ用途として使用するならなおさらです。安価なので2台設置してもそれほど大きな出費にはならないと思います。

この2機種がよかったです

いろいろ調べて、以下の2機種を使っていました。特に大きな問題もないため、これから購入する方の参考になれば幸いです。ただし、耐久性に関しては十分に検証できていません。(なお現在はアメリカのBrowningのトレイルカメラに切り替え、すべて引退させています。)

enkeeo PH770

↑地面すれすれに設置するのが自分流。小さい野生動物も大きく捕らえることができます。

FOV=108°の広角レンズを搭載しています。940nmの赤外線LEDを搭載し、夜間の撮影が目立たなくなりました。この2つの条件を満たすカメラは少ないので、自動的に選択肢に入ってきます。赤外線センサーも3個ついており、検知範囲は120度と広く、トリガースピードも0.2秒〜0.6秒とかなり速いほうです。画質はよくないですが、台風の大雨にも耐え、安定して使用することができています。

前モデルのPH760との比較です。静止画の最高解像度が1600万画素から2000万画素に引き上げられていますが、センサー解像度は同じ500万画素のCMOSセンサーですので、まったく改善が見られません。動画の解像感が1080Pと720Pでぜんぜん変わらないのも同じです。(720Pの画像を引き伸ばして記録しているのでは、と思えるくらいです)バックル部分が改良され、デザインも少しだけかっこよくなりました。

というわけで、2018年現在、1万円以下のカメラではこれが一番よいのではと思っています。

センサー 5MピクセルCMOS
レンズ F値2.0 FOV 108°
赤外線LED 940nm 45灯
検知範囲 120°
トリガースピード 0.2〜0.6秒

 

Ksmsemトレイルカメラ

↑軽いので木の上に取り付けています。地面に降りてこない野鳥もいるので樹上に設置するとまた野鳥を撮影することができます。

FOV=70°とPH770よりも視野角が狭くなりますが一般的なトレイルカメラよりも広角です。何より小型で、前面にモニターがついているためカメラのセッティングがしやすく大変重宝しています。作りもしっかりしていると思います。

問題点は下の動画にもあるように、夜間起動時、赤外線LEDの照射の際に「かちっ」という大きな音がするため野生動物がびっくりする、ということと、画面周辺部の流れが目立つ、ということです。PH770と比較しても画質はよいので、この周辺部の流れがもう少しましだったら・・とちょっと残念に思います。それ以外は、電源が単三形電池4本のため待機時間が短いことくらいでしょうか。防犯用途に使うのであれば、この機種を何台か設置するのがよさそうです。

センサー 5MピクセルCMOS
レンズ F値 2.2 FOV 70°
赤外線LED 850nm 高出力タイプ2灯
検知範囲 40°
トリガースピード 0.45秒

※amazon.comの同一機種のスペックを参考 http://a.co/d/3bTb5b0

上記2機種で撮影した動画は↓こんな感じ。地上にenkeeo PH770、樹上にKsmsemトレイルカメラを設置しています。

そのほか比較のためのデータ

そのほか、amazonで購入できるトレイルカメラを比較のために何台か取り上げておきます。上記5つのスペックについて記載しておきます。

enkeeo PH760

半年くらいこの機種を使ってきたのですが、青色のLEDが常時点灯するようになったので運用終了です。ただし、それなりに使い勝手もよかったので、おすすめできる機種ではあります。

センサー 5MピクセルCMOS
レンズ F値 2.0 FOV 98°
赤外線LED 850nm 47灯
検知範囲 120°
トリガースピード 0.2〜0.6秒

このカメラで撮影した動画はこちら↓

【日本限定モデル】Victure トレイルカメラ HC200-Black

センサー 5MピクセルCMOS
レンズ F値 2.6 FOV 73°
赤外線LED 850nm 23灯
検知範囲 90°
トリガースピード 0.5秒


【日本限定モデル】Victure HC400-Black

上記HC200のセンサー検知範囲を広げ、トリガースピードを改善したタイプです。レンズの視野角には変化がないので、この機種を買う意味はあまりないかもしれません。

センサー 5MピクセルCMOS
レンズ F値 2.6 FOV 73°
赤外線LED 850nm 24灯
検知範囲 120°
トリガースピード 0.2〜0.6秒

 

apeman H65

amazon.co.jpのスペック表がとても怪しいですが・・そのまま掲載しておきます。http://www.apemans.com/を確認しましたが、ちょっとよくわかりませんでした。

センサー 2MピクセルCMOS
レンズ F値 2.6 FOV 73°
赤外線LED 940nm 26灯
検知範囲 60°
トリガースピード 約1秒

 

campark T45

取扱説明書にも、メーカー仕様書にも14MピクセルCMOSセンサーと記載があります。さて、これは本当?(笑)

センサー 14MピクセルCMOS
レンズ F値 2.5 FOV? 120° wide angle lensの記載
赤外線LED 850nm 42灯
検知範囲 120°
トリガースピード 0.3秒

 

400-CAM067

サポートが気になるなら、日本の会社から購入するのがよさそう。(その分ちょっと高いです)

8MピクセルCMOSセンサー使用だそうです。日本の会社ならスペック詐欺はないと思いますので、もしかしたら一番高画質かも?(当然高画素=高画質とは限らないので注意)この機種は見えないノーグロー赤外線LED使用です。

センサー 8MピクセルCMOS
レンズ F値 2 FOV 105°
赤外線LED 940nm 46灯
検知範囲 120°
トリガースピード 0.2秒〜0.5秒

静止画解像度の項目に4608×3456(デジタル補正)とありますので、良心的です

400-CAM061

上記とほぼ同じ外観ですが、少し見えるローグロータイプの赤外線LED使用機種です。センサー画素数も5Mと一般的です。

センサー 5MピクセルCMOS
レンズ F値 2 FOV 108°
赤外線LED 850nm 46灯
検知範囲 120°
トリガースピード 0.2秒〜0.5秒

 

400-CAM066

多分自分が使っている小型タイプとほぼ同じOEM品だと思います。色がグレーなので防犯用途に最適です。

センサー 5MピクセルCMOS
レンズ F値 2.2 FOV 70°
赤外線LED 850nm 高出力タイプ2灯
検知範囲 40°
トリガースピード 0.45秒

 

以上です。

トレイルカメラは今のところ中国製ばかりなので落とし穴が多いです。ここにない機種でも5つのスペックを確認しておけばあまり間違いはないと思います。選ぶときの参考になれば幸いです。

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