建築士ならLANケーブル成端作業を自分でやれた方が楽しいと思う

建築士が現場で作業をするならどの作業がよい・・?専門性を要するけれど資格のいらないLANケーブル配線・成端作業が最適だと思います。特に自分のように社内営繕の建築士ならなおさらです。ここではその理由と必要な道具などを述べています。

1137

建築士が現場作業をやるならLAN関係が最適な理由

分は山に籠もる前は某企業で一人営繕をやっており、最後の方はオフィスの縮小移転が主な仕事でした。内装工事は当然業者さんにお願いするのですが、結構広いオフィスにもかかわらず、コスト削減のため小さな工務店に依頼していました。そこでよく問題になるのが弱電関係です。ただの電話線だと問題はないのですが、LANなどネットワーク関係になると、工務店の下請けの電気屋さんだと手に負えないことが多いです。なので、そういう弱電関係を施工する業者さんを探すのですが、たいていの場合工事費が高かったりします。

そこでいろいろ考えるのですが、自分のいたところのオフィスの移転工事では通常の電気工事の他に、LAN関係の弱電、電話(ビジネスホン)関係の弱電、監視映像などのアナログ映像音声を送受信するケーブル敷設の弱電、これらのちょっと面倒な工事を行わなければなりませんでした。

一番最後の現場では、ビジネスホンと監視カメラ映像の両方ともIP化することができたので、オフィス内の弱電ケーブルはLANケーブルだけに統一することができました。これだけでもずいぶんと大きな進化で大幅なコスト削減になっているはずです。

LANケーブルだけになってしまえば普通の工務店に出入りしているような電気屋さんでも問題なさそうに思えるのですが・・・そうでもなかったりします。コンセントプレートにLANのモジュラージャックを取り付ける工事であればやってくれますが、LANケーブルが大量に天井やら床から取り出されている状態で、その末端全部にコネクタをつけてとお願いしても「専用の工具を持っていない」とか言って断られることしばしばです。

一方で、ビジネスホンの設定などで、最終的には専門の弱電屋さんを呼ばなければならないのですが、ケーブルの敷設工事をともなうのと設定だけではかなり金額が異なってきます。

そこで・・・現場が最終段階になって手が空いてきた「自分」を使って、そのLAN関係の工事をやってしまおうというわけです。小さな企業でもシステム・ネットワーク担当がいると思いますので、その人たちにやってもらうという手もあると思いますが、最終段階の混乱した現場に来てもらってもあまりよいことはありません。建築士の自分がLANケーブル配線関係を引き受けられるように進化してしまうのが経験上最善ではないかと思います。

ちなみにLANケーブルの配線や成端には資格は不要です。また、ネットワークについては電気屋さんが知らない専門知識が必要だったりします。そういった点でも建築士が現場に入り込んで行いやすい作業と言えると思います。

具体的にどこまでやるか

ろんなパターンを試しましたが、通線だけ電気屋さんにやってもらって、コネクタの取り付け、成端作業を自分でやるのが一番効率がよいように思います。

ネットワーク監視カメラなど、天井や壁に器具を取り付ける場合については、コネクタを自分で取り付けたら器具付けは電気屋さんにお願いしたほうがきれいに納めることができます

あとは、サーバー室やルーター設置場所に集まってくるLANケーブルにひたすらコネクタを取り付けます。ケーブルの行き先ネームタグもそれぞれ取り付けます。

両方のコネクタが取り付けられたら、正しく施工できたが一つ一つ確認して完了です。その後システム担当にルーター・サーバー等の設置と設定をお願いするだけです。

量が多いと死にそうになりますが・・・単純作業をただひたすらに繰り返すのもなかなか楽しいものでした。

ポイント

  • 電気の図面に何色のLANケーブルを何本引くかわかるように示しておきます。
  • 外部から光ケーブルなどを引き込む場合は、ONU設置位置(ルーター設置位置)から引き込みのシャフトなどの間にCD管など空配管をあらかじめ仕込んでおきます。光ファイバーの通線はNTTなどが工事します。
  • ケーブル・コネクタはコネクタの作成ミス低減のためにもCAT6で統一しておくとよいです。CAT6のコネクタやケーブルは高価なのですが、作業のことを考えるなら、経験上CAT6を選んでおいたほうが間違いがないです。CAT5eはミスしやすいです。
  • ケーブルはどこのメーカーでもよいですが、コネクタはパンドウイット(PANDUIT)を選んでおけば間違いないと思います。コネクタによって専用工具も異なります。専用工具は高価なので最初にどこを選ぶかはとても重要になります。LANケーブルの信頼性はとても大切ですので、メーカー選びは慎重に行うべきです。
  • ケーブルを正しく施工したかチェックを行う機器も購入しておく必要があります。自分が最初施工したときは(CAT5eでしたが)全部間違えてやりなおしになり、大変な思いをしたことがあります・・チェックは大切です。自分は口コミなどでフルークネットワークのテスターを選びました。

以下自分がそろえた主な道具類です。

↓モジュラープラグ圧着工具 これがなければはじまりません。Cat5eとCat6のコネクタ両方を作れるので大変重宝します。

↓パンドウィットのCAT6コネクタです。100個も入っていますが、どこかの工事を行う前に一箱買っておくと安心です。

↓ケーブルテスターには安心のフルークネットワークス製を・・このテスターでは1本のテストを行うことが可能です。本体から終端部分が分離するのでリモートテストができます。すなわち・・ケーブルの両端が離れた位置にあってもテストできます(⇒通線してコネクタを取り付けてからテストすることができる)

↓LANケーブルを作る量が増えてくる一度に何本もテストしたくなるので、たまりかねて以下のセットも購入しました。終端装置が6個ついているので、本体のと併せて7本分を一度にテスト可能です。これがあれば同じ取り出し口から複数本LANケーブルがでているような時に大変重宝します。なければ、一本テストするごとにケーブルの始点と終点間を何度も歩いて往復しなければなりません・・LANケーブルが階をまたいでいたりすると悲惨です。

また、どのケーブルがどれかわからなくなったりもするのですが、それを特定するためにトーナー&プローブ(ケーブルを特定すると音が鳴る)も付いています。ケーブルにまみれて訳わからなくなったときもあったので、ケーブルが特定できるのはありがたかったです。ただし10万以上しました(あの頃はお金がありました・・退職後ヤフオクで売ってしまいましたが)

そのほかにも購入すべきものがありますが、それについては次の記事に記載します。

実際にLANケーブルの成端作業をする

今回、家の中でLANケーブルを配線することになったので、昔を思い出しながら作業を行いました。具体的には次の記事に書いています。こちらをどうぞ↓