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あこがれの八ヶ岳高原音楽堂へ行ってきた
ご近所に、設計士なら誰でも知っている吉村順三先生設計の音楽ホール「八ヶ岳高原音楽堂」があります。八ヶ岳の中腹で自然に囲まれながら少人数で音楽を楽しむ・・・。音楽ホールとしては大変めずらしいシチュエーションだと思います。こんな与条件で設計できるのならメラメラと設計魂が燃えあがること間違いなしです。この中ではいったいどんな経験ができるのか。いつか行きたいと思っていましたが、今の自分には贅沢と思って見送ってきました。
が、2018年の今年になって、八ヶ岳高原音楽堂開館30周年を記念してつくられた「八ヶ岳カラマツチェンバロ」のコンサートが開催され、時間は短いですがたったの1,500円でチェンバロの生演奏が聴けるようになったのです。これは!!と思い早速出かけてきました。
この非日常感がたまらないです
音楽ホールに音楽を聴きに行くこと自体、非日常的な体験ではあるのですが、ここでの経験はやはり別格でした。
このホールは壁面のほとんどがガラス張りになっているので、美しい新緑、風に揺れる木々、それらを越えて飛ぶ鳥たち、刻々と形を変える雲、そして澄んだ青空、そういった景色と、繊細で澄んだチェンバロの音色を同時に楽しめるのです。
自然の中で音楽・芸能を鑑賞するのは、何というか、プリミティブな感覚が呼び覚まされるように思います。遙か昔から存在する自然と人間の生み出した旋律が呼応する・・・自然と人間が一体化する瞬間。ちょっとおおげさですが、心の中で普段ブロックされている「何か」と「何か」がつながるような感じがしてきます。
そういう意味では、野外コンサートや薪能なども自分は好きなのですが、チェンバロのような繊細な楽器は、屋外だと音が散逸し埋もれていってしまうため、どうしても屋内での鑑賞にならざるを得ないと思っていました・・・しかし、ここでは屋外の自然を感じながらチェンバロの音色を聴くことができるのです。
バロック期の規律の守られた音楽を聴きながら、光を受けて輝く新緑、風に揺れる木々の葉、時折空を横切っていく野鳥たちを眺めていると、いつの間にか建物という内と外を隔てる壁が消えてなくなり、大自然の中に溶け込んでいるような気がしてきます。
なんと贅沢な経験・・・
ただ、ちょっと残念だったのが、空調の騒音が少し耳障りだったことです。チェンバロの音が少し遠くに感じられました。座った場所(舞台下手側)が悪かったかもしれません。壁面の素材が、上手側や後方は反射しやすいガラス面が多く、下手側は透かしたカラマツ板張り(吸音しやすい)と非対称なので、座る場所によって印象も変わりそうです。もし次回行く機会があったら、違う場所に座ってみようと思います。
こういう音楽ホールはほとんど存在しないのでは・・・と思います。まだこの非日常な経験されていない方は、この機会に八ヶ岳高原音楽堂に行かれるとよいと思います。なお、夜よりも、昼のコンサートの方が自然がホールの中に入り込んでくる感じがしますので、おすすめです。
プログラム
お子様も楽しめるようにと、短めの時間のコンサートとなっていました。演奏者は鎌田茉帆さん、チェンバロの楽曲は短いものが多いとのことで、初めて聞く音楽家の曲も多数紹介いただきました。全部で10曲、アンコールもあったので全11曲で、短い時間ながらも楽しむことができました。6月になるとプログラムも変わるとのことですので、何度か通っても面白そうです。
スケジュール等
2018年これからの開催予定を一応ご紹介しておきますと・・
2018年6月 | 3(日),10(日),17(日) |
2018年7月 | 22(日),27(金),29(日) |
2018年8月 | 2(木),3(金) 6(月)〜10(金) 13(月)〜17(金) 20(月)〜24(金) 27(月)〜29(水) |
以後は未定だそうです。
毎回 13:45開演 14:35終演予定 です。
料金は 大人1,500円 小中学生700円 です。
詳細は、八ヶ岳高原音楽堂のホームページをご確認ください。
⇒「八ヶ岳カラマツチェンバロ・コンサート」樹齢110年の八ヶ岳のカラマツで造られた「八ヶ岳カラマツチェンバロ」の詳細はこちらをどうぞ。
⇒「八ヶ岳チェンバロ」について↓宿泊はこちらで・・・自分も一度泊まったことがありますが、あまりの気持ちよさに爆睡してしまいました(笑)