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中部横断道の長坂JCT〜佐久小諸JCTの現状は?
中部横断道自動車道の佐久南〜八千穂高原間が2018年(平成30年)4月28日に開通しました。
(詳しくはこちら⇒http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/nagano_00000299.html)
自分は、佐久方面に買い出しに出かけることが多く、これまでは国道141号で1時間くらいかけて行っていたので、高速道路、しかも無料区間で開通、というのは本当にうれしいことです。特に、片側1車線の小海町〜佐久穂町付近はいつも混んでいたので、この辺の混雑が緩和されたのは本当にありがたいと思います。
開通後は佐久方面まで15分くらい時間が短縮されました。国道141号も、高速道路の併走区間は交通量が減ってスムーズに走れるようになりました。
これで、上信越道と中央道を結ぶ長坂JCT〜佐久小諸JCTのうち未開通部分は長坂JCTから八千穂高原IC間ということになりました。
2023年10月、ついに都市計画原案が示されました
そして、月日は流れ5年半が経過(速い・・・)、これまで計画ルート案は3km帯幅、1km帯幅と狭められてきましたが、2023年10月、ようやく都市計画の原案が一般に公開されました!
ルートの詳細は長野県、山梨県の公式サイトで確認することが出来ます。
長野県側の説明資料の一部を引用させていただきます。概略平面計画図と断面図です。
心配していた最も標高が高くなる野辺山近辺は、ほぼトンネルということになっていました。地下水の問題は懸念されますが、冬期の厳しい気候、優良農地の分断などが問題になっていたことを考えると、(予算のことを考えないなら)最も現実的なルートだと感じます。
JR最高地点と高速道路最高地点の競演!
それなら、いっそのこと全面的に地中に埋めてしまえばいいのにとも思うのですが、計画を見ると、最も標高が高くなる地点に野辺山ICを設置し、本線を地上に露出させています。そして、そのすぐそばにはなんと、JRの最高地点もあるのです・・・!
この辺が今回の計画のツボかなと個人的には思いました。
ところで、日本の高速道路最高地点ですが、2023年現在、東海北陸自動車道の荘川IC〜飛騨清見IC間の1,085mとなっております。もし計画通り開通するならば、(仮称)野辺山IC付近の標高は1,380mもあり、これまでの最高地点を大きく更新します。すなわち・・JRの最高地点と、高速道路最高地点がほぼ同じ場所に出現することになるのです。
観光資源的には面白いことになりそうですね!
※なお、中部縦貫道の一部である安房峠トンネルの標高は1,373mとされています。ほとんど同じ標高のため、どちらが日本一か・・という話になりそうですが、中部縦貫道は高速道路に位置づけられていないため、野辺山IC付近が日本一になることは間違いなさそうです。
※中部縦貫道は国土交通大臣指定に基づく高規格幹線道路(一般国道の自動車専用道路)、中部横断道は、全区間が高速自動車国道に指定されています。
無料なのか有料なのか
それから、利用者として最も気になるのは、開通区間は無料なのか・・ということだと思います。計画平面図を確認すると、長坂JCTの詳細図に料金所らしき部分があり、そのほかのICには料金所らしき図が確認できないので、おそらく長坂から八千穂高原まで無料区間になると思われます。これはうれしいですね!
ルート地図
公開されている資料は、長野県側、山梨県側で分断されておりわかりにくいので、例によって著作権フリーの地図、OpenStreetMap Japan (⇒こちら https://openstreetmap.jp)にルートを重ね合わせた図をつくってみましたので、ご参考にどうぞ。クリックすると拡大します。
いつ頃開通になるのか予想してみる
長坂〜八千穂高原間がいつ頃開通するのか予想するため、2018年4月に開通した佐久南〜八千穂高原間のスケジュールを調べてみました。ネット上にはこの区間の計画から完成までの流れを記載した工程表がありました。一部抜粋してみますと・・
- 1991年(平成3年):基本計画決定
- 1998年(平成10年):基本計画が整備計画に格上げ=すなわち整備計画決定
- 2004年(平成16年):測量・調査・設計開始
- 2006年(平成18年):工事開始
- 2018年(平成30年):開通!
基本計画から整備計画決定まで7年、整備計画決定から開通まで、なんと20年もの年月を要しています!
実際に工事に向けた作業を始めた段階、「測量・調査・設計」開始からでも、14年かかっています。
平成27年9月 国土交通省 関東地方整備局「(再評価)中部横断道佐久南〜八千穂」より引用 ⇒http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000677707.pdf
一方、2023年現在の進捗状況ですが、以下のような図が資料内にありました。今回は、都市計画原案の説明会でしたので、この原案を元に計画案を詰め、事業着手に向かうと思われます。また平行して環境影響評価の手続きも行われているようです。
また、国土交通省の資料によると、現在は都市計画決定の前段階であり、都市計画決定後、整備計画決定の流れになるようです。
●http://www.mlit.go.jp/road/sisaku/dorogyousei/index.html
●http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/27/s1-2.pdf
これらから、2023年現在の進捗状況は、都市計画決定の手前、「基本計画決定」段階から「整備計画決定」の間に位置しており、佐久南〜八千穂高原間でいうところの、1991年(平成3年)基本計画決定〜1998年(平成10年)整備計画決定の間にいることがわかります。
この記事を最初に書いてから既に5年半経過していますので、整備計画決定は間もなくと思いますが、その後の工事着手〜開通まで20年を要していることを考えると、
開通まで少なくとも今から20年はかかると推測できます!
20年・・まじかぁ・・・
2023年の20年後は2043年・・・自分は生きているだろうか・・・笑
ついでに、2018年に行われた住民説明会では、
- 長坂〜八千穂高原間は、標高や気象を考慮すると、佐久南〜八千穂高原間より時間がかかると予想される
- 当面は長坂〜八千穂高原間は一体として計画
以上のような説明がありました。詳しくはこちら↓
今回の計画発表で、トンネル区間がかなり長くなったこと考慮すると、工事はさらに時間がかかるかもしれません、また、山梨県側は反対運動が激しいため、長坂〜八千穂高原間を一体として計画されると、山梨県側に足を引っ張られてさらに時間がかかる可能性があります。
とすると、開通まで20年〜30年でしょうか・・・
それでも無事開通までたどり着いてほしいです。
所感等
個人的には、先に野辺山まで、長野県区間の延伸だけでも行っていただけるとありがたいと思っています。野辺山から北の長野県側、特に市場坂の下から佐久穂町の間は、国道のバイパスもなく、狭い片側1車線が続きます(しかも高齢者の多い生活道路になっている&大型車のすれ違いが難しい部分もある)。国道141号は崩落しそうな崖面が多いので、災害時の迂回路の意味でも長野県区間の延伸は早期実現を・・と思っています。
高速道路は開通すれば、過疎化対策や農業振興など、この地区への計り知れないメリットをもたらすはずです。人口減・労働人口減のこの先の世の中では、移動などの「余計な時間」をどうやって減らすかが重要な課題になると思います。
できれば生きているうちに開通していただけるよう、いろいろなことがスムーズに進めばいいなと願う次第です・・・
過去の情報
以下、古い情報ですが、以前発表されていた1kmのルート帯案、3kmのルート帯案、それをみて筆者が冬の凍結がやばそう・・と思い超絶適当に描いたGoogle earthの3D図を残しておきます。野辺山地区をトンネルにするのか橋梁にするのか、どっちなんだろうと思っていましたが、勾配の関係で最初からそのように決まっていたのかもしれません。ただ、野辺山ICの候補位置は当初案よりかなり南にずれてしまったので、計画案よりもう少しトンネルは短かったのかもしれません。図面を見ながらいろいろ想像するのは楽しいです・・
1kmルート帯案
↓画像をクリックすると元画像が表示されます。3MBあります
↓Google earthさんよりお借りした3Dmapに、超適当に予想されるルートを書き込んでみました。繰り返しますが超適当です。緑色はJR小海線、水色が国道141号で、ぐねぐね曲がっているところが市場坂。通ったことがある人ならわかると思いますが、この市場坂は結構急坂かつカーブがきついです。
↓海尻地区から野辺山地区のまでの標高差を吸収するのに、野辺山地区のある程度の距離を地中化してしまった方が、巨大な橋は作らなくてすむかもしれません。当然ながらその分巨大なトンネルが必要になりますが・・・。それでも冬のことを考えると地中化した方がよさそうですね(お金のことを考えずに無責任な意見ですが)
長野県側3kmルート帯案
↓画像クリックすると2倍に拡大します。約2MBあります。地図の上下が南北方向です。