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中部横断道の長坂JCT〜佐久小諸JCTの現状は?
中部横断道自動車道の佐久南〜八千穂高原間が平成30年4月28日に開通しました。
(詳しくはこちら⇒http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/nagano_00000299.html)
自分は、佐久方面に買い出しに出かけることが多く、これまでは国道141号で1時間くらいかけて行っていたので、高速道路、しかも無料区間で開通、というのは本当にうれしいことです。特に、片側1車線の小海町〜佐久穂町付近はいつも混んでいたので、この辺の混雑が緩和されたのは本当にありがたいと思います。
開通後は佐久平方面まで15分くらい時間が短縮されました。国道141号も、高速道路の併走区間は交通量が減ってスムーズに走れるようになりました。
これで、上信越道と中央道を結ぶ長坂JCT〜佐久小諸JCTのうち未開通部分は長坂ICから八千穂高原IC間ということになりました。
2018年7月第2回長野県側計画調整会議が行われました
では、その残り区間はいつ頃開通なのでしょうか・・・
平成30年7月11日に長野県側の計画調整会議、第2回が行われました。
公開されている資料によると、2018年7月の段階では依然としてまだルート案を煮詰めている段階で、環境アセスメント(環境影響評価)もまだ行われていない、ということです。
ですので開通まで何年かかるか全くわからない状況です。
(そこで公開された長野県側の1kmルート帯案については、当記事の下の方および↓こちらの記事に記載しておきました)
佐久南〜八千穂高原間の開通までかかった年数から推測
長坂〜八千穂高原間がいつ頃開通するのか、を推測するのに、2018年4月に開通した佐久南〜八千穂高原間がどうだったかを調べてみました。ネット上にはこの区間の計画から完成までの流れを記載した工程表がありました。一部抜粋してみますと・・
- 平成10年:基本計画が整備計画に格上げ=すなわち整備計画決定
- 平成16年:測量・調査・設計開始
- 平成18年:工事開始
- 平成30年:開通!
整備計画決定から開通まで、なんと20年もの年月を要しています(笑)
実際に工事に向けた作業を始めた段階、「測量・調査・設計」開始からでも、14年かかっています。
長坂〜八千穂間は、現在の所まだ「基本計画決定」段階で、整備計画に格上げもされていません。したがって、少なくともこれから開通まで20年以上はかかると推測できます・・・
平成27年9月 国土交通省 関東地方整備局「(再評価)中部横断道佐久南〜八千穂」より引用 ⇒http://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000677707.pdf
2018年11月に長野県側の1kmルート帯、IC概略位置の説明会開催
上記計画調整会議の後、2018年11月南牧村・小海町・佐久穂町対象に説明会が開催されました。自分は行けませんでしたが、当日配布された説明資料や議事録などはこちらに掲載されていました。
この議事録から、長坂〜八千穂高原間がいつ頃開通になるのか等、それらを推測できる発言をピックアップしてみました。
ポイントは・・
- 今回決定の1kmルート帯を変更することはなさそう。
- 2019年度は環境アセスメントの手続き開始、調査のみ
- 長坂〜八千穂高原間は、標高や気象を考慮すると、佐久南〜八千穂高原間より時間がかかると予想される
- 当面は長坂〜八千穂高原間は一体として計画
- 無料か有料かも未定
※環境アセスメント後に都市計画決定⇒事業化⇒整備計画決定、の流れらしいです。環境アセスメントにどの程度時間がかかるかは不明です。
※先ほども述べましたが、佐久南〜八千穂高原間は整備計画決定から開通まで20年もかかっています。
※山梨県側は反対運動が激しいです(団体も複数あるようですし。)長坂〜八千穂高原間を一体として計画されると、山梨県側に足を引っ張られてさらに時間がかかる可能性があります。
⇒これらの発言や状況を考慮すると、長坂〜八千穂高原間は、佐久南〜八千穂高原でかかった「整備計画決定から20年」という年数よりもさらに時間がかかる可能性が非常に大きいです。
2019年に整備計画決定できたとしても(無理だと思いますが)、開通は2039年以降ですね・・・
これはもう、確実に自分は死んでますわ(笑)
↓当日の議事録抜粋などはこちらの記事に記載しておきました。
2019年8月1日に環境影響評価方法書が公開
前回の説明会の議事録にあったように、2019年度は環境影響評価(環境アセスメント)の手続きが始まります。2019年8月1日に事業者が作成したこれからどのように環境影響評価を行うのか、についての「方法書」が長野県のホームページに公開されました。予定通り環境影響評価の手続きが行われているようです。実現に向けてちゃんと計画が動き出しているようですね。(これはうれしいお知らせです。)
なお、環境影響評価の手続きですが、この方法書をもとに意見を収集し、方法を決定した後で実際に環境影響評価を行う、という流れになるようです。
※環境影響評価の流れについては、こちら↓のPDFがわかりやすいです。
長坂〜八千穂間のルート帯案は存在する⇒最新のルート案をできるだけわかりやすくしてみました
ところで、住民説明会などで配布された資料に目を通すと、ルート帯案という物が示されています。しかしこれ、かなり大まかでどの辺を通るのかよくわからないです。近隣に居住する者としては、高速賛成の方であっても、反対の方であっても、ルート帯案は気になるのではないかと思います。

そこで、単純に拡大しただけですが、もう少し道路が詳しく記されている地図にルート帯を重ね合わせてみました。 googlemapの航空写真などに重ね合わせられると良かったのですが、縮尺不明の紙データをgooglemap上に(それなりに)正確に転記する自信がなかったのであきらめました。通常の地図だと著作権の問題もあるので、あまり詳細ではありませんが、著作権フリーの地図、OpenStreetMap Japan (⇒こちら https://openstreetmap.jp)からお借りしました。
↓画像をクリックすると元画像が表示されます。3MBあります
冬の凍結や強風がヤバそう・・
これを見て個人的に気になったのが、野辺山から海尻地区にかけて多数の巨大な橋梁が構築されそうなこと・・・大きめの谷状の地形があるので、ここを越える巨大な橋を架けるとなると、冬の強風・凍結が怖いです。
しかも野辺山は標高1,300mを越えてますので、2018年現在最も標高が高い高速道路、東海北陸自動車道の荘川IC〜飛騨清見IC間の最高標高地点1,085mを大幅に更新してきます。
この付近の標高差を処理するために、今の国道141号でもカーブの多い急坂がありますし、JRの小海線に至っては、ぐるっと川上村をまわって迂回しています。
あんまり無理して巨大構造物をつくらないでほしいですね・・
お金のことを考えなくてもよいのであれば・・・勾配を稼ぐためにも優良農地の分断が問題になっている野辺山地区の半分くらいはトンネルにしてもよいのかもしれません。その場合は、トンネルだけ有料にする、ということもありかもしれませんね。
↓Google earthさんよりお借りした3Dmapに、超適当に予想されるルートを書き込んでみました。繰り返しますが超適当です。緑色はJR小海線、水色が国道141号で、ぐねぐね曲がっているところが市場坂。通ったことがある人ならわかると思いますが、この市場坂は結構急坂かつカーブがきついです。
↓海尻地区から野辺山地区のまでの標高差を吸収するのに、野辺山地区のある程度の距離を地中化してしまった方が、巨大な橋は作らなくてすむかもしれません。当然ながらその分巨大なトンネルが必要になりますが・・・。それでも冬のことを考えると地中化した方がよさそうですね(お金のことを考えずに無責任な意見ですが)
以前配布されていた長野県側3kmルート帯案
なお、以前配布されていた長野県側3kmルート帯案については、以下のような感じでした。これについてOpen Street Mapに落としたルート帯案もそのまま掲載しておきますので参考にどうぞ。

↓画像クリックすると2倍に拡大します。約2MBあります。地図の上下が南北方向です。
所感等
個人的には、先に野辺山まで、長野県区間の延伸だけでも行っていただけるとありがたいと思っています。
山梨県側の国道141号は、野辺山から中央道須玉ICまでは一部区間を除いてそれなりに整備されていますし、野辺山から北の長野県側、特に市場坂の下から佐久穂町の間は、国道のバイパスもなく狭い片側1車線が続きますので(しかも高齢者の多い生活道路になっている&大型車のすれ違いが難しい部分もある)、その改善の意味でも、長野県区間の延伸は早期実現を・・と思っています。
高速道路は開通すれば、過疎化対策や農業振興など、この地区への計り知れないメリットをもたらすはずです。人口減・労働人口減のこの先の世の中では、移動などの「余計な時間」をどうやって減少させるか、が大変重要になってくると思います。
できれば生きているうちに開通していただけるよう、いろいろなことがスムーズに進めばいいなと願う次第です・・・