しめが住んでいるところは標高が1,500mあるので真夏でも涼しいのですが、標高が高くなると雲の中に入ることも多く、夏場は湿度90%以上になることがざらです。洗濯物が全く乾かない日々が続くことも多々あり、気を抜くとすぐ部屋干し臭がついてしまいます。しめがまだ都会に住んでいた頃によく行っていた部屋干し臭対策がここでも役に立っています。
※以下の方法は、それなりにリスクもありますので、自己責任でお願い致します。
部屋干し臭の原因はモラクセラ菌→熱などで除菌
部屋干し臭(=雑巾の臭い)の原因は、花王株式会社の研究(http://www.kao.com/jp/corp_news/2011/20110526_001.html)によると、モラクセラ菌という微生物が発生する4-メチル-3-ヘキセン酸(4-Methyl-3-hexenoic acid:4M3H)とのことです。
従って、NHKのガッテン(2017年6月14日放送:梅雨を快適に!いや~な部屋干し臭 一発解消SP)でもやっていましたが、モラクセラ菌を消滅させることが、部屋干し臭対策の基本になるようです。ガッテンの中で紹介されていた方法としては、
- 60度以上のお湯で洗濯する
- アイロンを掛ける
- コインランドリーの乾燥機に入れる
- 酸素系漂白剤を入れたぬるま湯(40度)につけ置きして除菌
が挙げられていました。要するに高温で除菌すればよい、ということになります。モラクセラ菌は60度以上で死滅(上記NHKガッテンより)するようなので、60度の環境をどうやって維持するか、がポイントになります。
しかし、これらの方法は・・・現実的かどうかというと、どうなのでしょう。お湯での洗濯に対応している洗濯機は、今のところドラム式しか存在しないようなので、結局高くてなかなか購入できないのではないでしょうか・・。また、紹介されていた酸素系漂白剤などは、成分が繊維の隅々に行き渡らないことには除菌も難しいようで、しめも試してみましたが、完全に消滅させるのは難しいように感じました。
どうやって手間を掛けずに熱を加えるか・・
しめも以前から部屋干し臭に悩まされており、特に微生物が繁殖しやすい夏期は、タオルなどは寸胴に入れて、煮沸して除菌したこともありました(笑)ただし、煮沸するときに気をつけなければならないのは・・色物は必ず色落ちするということです。また繊維へのダメージも大きい感じがします。(一度、どうでもよいタオルなどで試してみるとよいと思います)ですので、この方法を利用できるのは限られてくると思います。
それでは、ということで、洗濯機へのダメージを無視して、60度以上のお湯を洗濯槽に流し入れて洗濯をしたとしても・・そうなんです、すぐに洗濯槽の温度が下がってしまって、モラクセラ菌が死滅する温度を維持することは難しいです。
試行錯誤の結果、最終的にシメがたどり着いた方法を公開します。これで臭いは消えますが、またしばらくすると復活してくるので、1ヶ月に1度、多いときには2〜3度実行していました。部屋干し臭に困っているけれど、あまり手を掛けたくないと思っている方、ぜひ一度お試しください。(くれぐれも自己責任でお願いいたします)
- 壊れてもいいような安物の「クーラーボックス」を用意する。
- お風呂場(水を抜いた浴槽の中がいちばんよい)にクーラーボックスを設置
- 洗濯物と洗剤をクーラーボックスに入れる。
- 給湯器の温度を75度もしくは60度にセットして、お湯をクーラーボックスに入れる。
- 押し洗いした後、蓋をして30分程度放置
- お湯を捨て、先ほどと同じ温度のお湯で一度すすぐ。そのまま洗濯機へ移し替えて、通常コースで洗濯・脱水
①について。ホームセンターなどで購入できる30リットル程度の安いものでよいと思いますが、念のため耐熱温度は確認しておくとよいです。
②について。上にも書きましたが、お湯をクーラーボックスに大量に入れると重くて持ち上げられないので、クーラーボックスを傾けてお湯を捨てることになりますが、その際、流したお湯が飛び散らないように浴槽の中で作業を行うと安全です。
③について。せっかくなので、洗剤も混ぜて、お湯で溶け出した油汚れを界面活性剤で除去してしまいましょう。37度で皮脂は溶け出すそうです(先述のパナソニックのホームページより)洗剤がないと、溶け出した油汚れが再付着してしまいます。
④について。クーラーボックスに入れても、温度は下がってきますので、できれば75度のお湯が理想です。給湯器によっては60度までしか出ないものもありますので、その場合はお湯をぎりぎりまで入れて、できるだけクーラーボックス内の総熱量を増やしておくとよいです。また、先ほども述べたとおり皮脂汚れがある場合は、37度以上になって溶け出した汚れが、温度が下がることによって再び固化し、再付着してしまいますので、温度を下げないことが重要です。
⑥について。再付着防止のために、きれいなお湯で一度すすいでから、普通に洗濯します。もしくは、2〜3度お湯ですすいでしまって、洗濯機で脱水だけ行うことでもよいと思います。
※温水で洗濯をする際の注意点
温度が高くなることで、界面活性剤の洗浄力が落ち、溶け出した油汚れが再付着する可能性が高くなるという説があります。(界面活性剤の分子運動が激しくなり、ミセル形成(=汚れを包み込む)しにくくなる)
また、タンパク質は高温で変性し、それによって汚れが固定化されることもあります。
従って、あまりに高温(100度近く)にすることはお勧めしません。いったん通常温度で洗濯を行い、汚れを落とした後で、臭いが取れない場合に温水除菌を行う方が安全だと思います。