【動画】野生トカゲ(カナヘビ)の片目睡眠(=半球睡眠)

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トカゲ(カナヘビ)をじっと観察していたら、片目をつむって眠っている姿を見ることができました。

片目だけ閉じる睡眠=片目睡眠=半球睡眠

目だけ閉じて眠る睡眠、これを「半球睡眠」というそうです。詳しいことは、こちらのナショナルジオグラフィックの記事:第66回 眠りながらも目覚めてる!? 半球睡眠とは何か?(http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/15/403964/123000058/)に、対話形式でとてもわかりやすく解説されています。

以下抜粋して引用します。

左右の大脳半球が片方ずつ交代で眠る現象を半球睡眠といいます。実際に脳波を測ってみると、文字通り片側は覚醒時の脳波、反対側は睡眠脳波が同時に出現している

いろいろな理由で「ぐっすり寝てはイケない状況」におかれた動物たちの生き残り戦略として進化した機能だと考えられている

多くの野生動物にとって捕食者(外敵)からいかに身を守るかが大事だよね。特に1カ所でじっとしている睡眠中は危険な時間帯。だから動物は安全な巣の中で身を固めた姿勢で睡眠をとるのが基本

その点、半球睡眠をとる動物では大脳皮質の半分は起きている状態なので、周囲の状況が全く認識できなくなる全球睡眠とは違って、外部環境に注意を払いながら安全に眠ることができる

半球睡眠をする代表的な動物と言えば渡り鳥が有名だね。アマツバメ、イソシギ、カモメなどでは半球睡眠があることが研究で明らかになっている。また、イルカやクジラなどの海洋哺乳類でも半球睡眠がみられる

1970年代に当時のソビエト連邦のモスクワ大学にいた睡眠研究者がイルカの脳波を測定したことで半球睡眠が初めて実証された

半球睡眠の時は、寝ている脳の反対側の眼が閉じているので、脳波を測らなくても分かるときもあるんだよ。動物園のイルカやペンギンが片目を閉じているのはウィンクではなく半球睡眠のとき

半球睡眠がある動物とない動物がいる理由はよく分かっていないし、いまだに詳しいメカニズムも不明のまま

面白いです。脳の半分だけ休ませて、体は警戒モードのままでいたり、泳いだり飛んだりできるとは、なんと素晴らしい機能なのでしょう。片目をつぶるのは、脳の半分が休んでいて、その半分の脳が視覚情報をシャットアウトしているからなのですね。

リスの行動を見ていてもよくわかるのですが、これら小動物は短い昼寝を頻繁にしているように思います。警戒しながらなのでぐっすり眠ることができず、そのかわりに少しずつ休みながら行動しているのかもしれません。

人間は半球睡眠可能か?

て、最後に夢の半球睡眠が人間も可能かどうかについてですが、これは脳の視覚情報の取り入れ方に関係していそうです。

鳥類以下の動物は、右目からの情報は脳の左側に左目からの情報は脳の右側に入る、というように視神経が完全に交叉(視交叉)しています。人間と同じ哺乳類なのに半球睡眠できるイルカも視神経が完全に交叉しています。

wikipedia「視神経」より。一部加筆

一方、人間は両眼で立体視をするがために、視神経の交叉の仕方が特殊です。左右各眼球の左側半分の情報が脳の左側に右側半分の情報が脳の右側に集まります。これを半交叉というそうです。

(半交叉でも、目の右側の情報が水晶体を通るときに反転し、眼球の左側に投影されるので、右側の情報が左側の脳に伝わっています。右側の情報が左側の脳に伝わるのは、完全に視神経が交叉する動物と同じですね。)

従って、片目だけ目をつぶったとしても、両方の脳に情報が行ってしまうので、片方の脳を休めることはできません。つまり人間が半球睡眠をするのは難しそうです。残念・・

でも、やっぱり半球睡眠の技を身につけてみたい。

目の半分で視神経が分かれるのなら、片目の左もしくは右半分が隠れるように眼帯をしてボケーッとしてたら可能になるかもしれません・・・これは試してみる価値がありそうです。日中眠いときなどに実行してみて何か変化があったら報告します(笑)