巣立っていなくなったと思ったニホンリスが昼寝してた
昼寝リス(野生ニホンリス)の親子がいなくなって1週間たちました。
すっかりリスロスでへこんでいたのですが・・
だんだん(一瞬だけですが)餌台に戻ってくるようになりました。
昼寝リスは巣立ちでどこかに行ってしまったのではなく、もしかしたらこの辺に住んでいるのかもしれない・・そう思った私は、毎日外を歩きながら昼寝リスを探していました。
すると・・

向かいの家の手すりで昼寝をしているのを見つけてしまいました!!
ズームを無理矢理拡大した写真なので画像が悪いですが、このだらしない姿をみよ!さすが昼寝リス(笑)
これで、昼寝リスはこの近所に住んでいることを確信しました。
ニホンリスの行動範囲はどのくらい?
ところで・・ニホンリスの行動範囲ですが、そのような研究がないかと思いネットを探してみたところ、矢竹一穂氏・田村典子氏が総説としてニホンリスの生態の研究状況をまとめていらっしゃいました。(矢竹 一穂, 田村 典子「ニホンリスの保全ガイドライン作りに向けて Ⅲ.ニホンリスの保全に関わる生態」(「哺乳類科学」Vol. 41 、2001年 ))
それによると、
リスの行動圏の大きさは,餌の質・料,生息環境によって異なるものの,オスで約20〜30ha,メスで約10haと考えられる.また,成熟メスは互いに排他的に分布するので,森林面積から生息できるメスの数を概算することができる.仮に10頭ののメスが生息するためには,約100haの森林塊が必要であると概算される.
日常的な行動圏の長さは200〜400m程度と考えられる.
とありました。
これから考えると・・昼寝リス(親)はメスなので、行動圏は約10ha=約316m角、しかもその中に昼寝リス(親)が一匹だけ生存、ということになります。また、管理人が住んでいるところは別荘地なのですが、1ブロックがだいたい1.5ha位なので、6ブロック分くらいを昼寝リスは飛び回っていることになりますでしょうか・・・
結構広いような、狭いような。リスは生息地を移動させるものかと思い込んでいたのですが、決まった範囲内を縄張りを守って生きているのですね。なので、これからも昼寝リスには会えそうです。縄張り内の数ある建物の中で、うちで巣作りして子どもを産んでくれたなんてなんと光栄な(笑)
気になるのは子リスたちですが・・先述の論文には、
新生個体の分散については今のところ不明であり,今後の課題である.
とあるので、研究でもまだよくわかっていないようです。結局昼寝リス(親)と同じ領域に生息している子リスは今のところ一匹だけのようですし、メスの子どもは、追い出されてどこかに行ってしまったのかもしれません。リスの世界も厳しいですね・・
ニホンリスは巣を複数持っている、らしい
先ほどの論文には、ニホンリスの営巣についても記述がありました。
1個体が複数の巣を持ち,必ずしも同じ巣に就塒するわけではなく,育仔中も巣を変える習性がある.
1頭の行動圏内には同時に使用できる巣が2〜7個程度あり,1年間では1頭が17〜30個の巣を利用する.
ということですので、1週間前に昼寝リスがいなくなったのは、巣立ちと言うよりは、巣の移動、といった方が正確なのかもしれませんね。複数個持っている巣のうち、一つがうちの屋根裏、ということみたいです。
なので、今は昼寝リスは、近所のどこかの巣に子どもたちといるということになりますでしょうか・・
ほんとはもっと長くいて欲しいなと思うのですが、贅沢な望みなのかも。子リスがいるときのちょっとの期間、屋根裏の巣を使ってくれるだけでもありがたいと思った方がよいかもしれません。
あんなかわいい姿を見られるなんて!リスに感謝です
今後、観察で何かわかれば、お知らせしていきたいと思います。